富山県15市町村の保育料比較【2026年版】

2026.05.14

富山県は「保育園に入れない」がほぼない県

子育て世帯が住む場所を選ぶとき、保育園に入れるかどうかは大きな判断材料です。富山県は待機児童ゼロが20年以上続いている全国でも珍しい県で、「保活」という言葉の切迫感が首都圏とはまったく違います。

背景にあるのは共働き率の高さです。富山県の共働き率は約55.9%で全国4位(平成27年国勢調査)。共働きが当たり前の土地柄だからこそ、保育の受け皿整備が早くから進んできました。

3歳以上の保育料は国の幼児教育・保育無償化によって全市町村で無料です。では15市町村に差がないかというと、そうではありません。差がつくのは0〜2歳児の保育料と、自治体独自の子育て支援策です。第2子の保育料が無料になる条件、副食費(おかず・おやつ代)の補助、出産祝い金の金額まで、住む場所によって年間数万円〜数十万円の違いが出ます。

この記事では、富山県内15市町村の保育料減免と独自支援策を横断的に比較します。これから富山への移住を検討している方、県内で引っ越し先を考えている方、第2子・第3子を考えているご家庭の参考になれば幸いです。

※この記事の情報は2026年5月時点のものです。制度は年度ごとに変更される場合があります。最新の詳細は必ず各市町村の公式サイトまたは窓口でご確認ください。

それでは、15市町村の保育料・減免制度を一覧表で見ていきましょう。


15市町村の保育料・減免制度 比較一覧

富山県内の全15市町村について、0〜2歳児の保育料に関する減免制度を一覧にまとめました。3歳以上は全市町村で保育料無料(国の無償化制度)のため、ここでは0〜2歳児に焦点を当てています。

市町村 第2子の保育料 第3子以降 副食費の補助 特記事項
魚津市 1歳以上は無料 無料 全額免除 0歳児の第2子以降も無料。1歳以上は第1子でも保育料・副食費が無料
滑川市 無料 無料 第1子の保育料が半額(県内唯一)。第2子以降は完全無料
氷見市 1歳以上は無料 無料 平成29年7月から第2子無料を実施(県内最速クラス)
射水市 無料(同時入所不問) 無料 生計同一世帯に2人以上の子がいれば、同時入所を問わず第2子無料
入善町 半額 無料 全額免除(3歳以上) 第1子は保育料を1/4減額。出産祝金制度あり
南砺市 半額 無料 1・2人目半額、3人目以降無料 きょうだいカウントが22歳まで(大学生の兄姉もカウント対象)
富山市 半額(条件あり) 無料 第3子以降免除 年収約360万円未満世帯は第2子無料(同時入所条件なし)
高岡市 半額(条件あり) 無料 多子軽減制度あり。所得に応じた軽減
砺波市 半額(条件あり) 無料 三世代同居おうち育児給付金など独自支援あり
小矢部市 半額(条件あり) 無料 出産祝いにメルヘン米・稲葉メルヘン牛の交換券
黒部市 半額(条件あり) 無料 出生届提出時にオリジナル命名紙の毛筆筆耕プレゼント
上市町 半額(条件あり) 無料 祖父母育児給付金(月1万円、孫が3歳まで)
立山町 半額(条件あり) 無料 孫とおでかけ支援事業あり
朝日町 半額(条件あり) 無料 各種子育て支援制度あり
舟橋村 半額(条件あり) 無料 学童保育「fork toyama」保護者負担ゼロ(グッドデザイン賞受賞)

※「条件あり」は、同時入所・所得制限など自治体ごとの条件があることを示しています。詳細は各市町村にお問い合わせください。

※この表は2026年5月時点の公開情報に基づいています。年度途中の制度変更がある場合があります。

次に、この中でも特に保育料が手厚い上位5市町村を詳しく見てみます。


保育料の手厚さランキング — 上位5市町村

15市町村を比較した結果、0〜2歳児の保育料減免が特に手厚い自治体を5つ取り上げます。

1位:魚津市 — 1歳以上の保育料+副食費が完全無料

魚津市は2023年(令和5年)9月から、市内在住の1歳以上の子どもの保育料と副食費を完全無料にしました。第1子でも、第2子でも、所得に関係なく無料です。0歳児についても、第2子以降であれば保育料が無料になります。

県内で「第1子でも保育料無料」を実現しているのは魚津市だけです(1歳以上に限る)。共働き世帯にとって、保育料の負担がほぼゼロになるインパクトは大きいです。

出典: 魚津市 令和8年度 保育園・認定こども園の入園案内(2026-05-12確認)

2位:滑川市 — 県内唯一の「第1子半額」+第2子以降完全無料

滑川市は2023年(令和5年)4月から、第1子の保育料を半額に、第2子以降の保育料を完全無料にしました。「第1子の保育料を半額にする」制度は富山県内では滑川市だけです。

第2子以降が無料になる自治体は複数ありますが、第1子にまで減免が及ぶのは注目に値します。1人目の子育て中の世帯にとっても恩恵がある制度です。

出典: 滑川市 保育所・認定こども園(2026-05-12確認)

3位:氷見市 — 1歳以上の第2子保育料無料を県内最速で実施

氷見市は2017年(平成29年)7月から、1歳以上児の第2子以降の保育料無料化を実施しています。この時期に第2子無料を始めた自治体は県内でも早く、先駆的な取り組みでした。

3人目以降は0歳児から保育料が無料です。2025年(令和7年)4月からは出生順位に応じた「ひみっこギフト」の上乗せ支給も始まっています。

出典: 氷見市 氷見での子育て ここが自慢です!(2026-05-12確認)

4位:射水市 — 第2子以降を「同時入所不問」で無料化

射水市は、生計を同一にする世帯に2人以上の子どもがいれば、第2子以降の保育料を無料にしています。ポイントは「同時入所を問わない」点です。

多くの自治体では、上の子が保育園・幼稚園に同時に在籍している場合に限って「第2子」とカウントします。射水市では、上の子が小学生以上でも第2子としてカウントされるため、年の離れたきょうだいがいる家庭にも恩恵があります。

出典: 射水市 保育料(2号・3号)(2026-05-12確認)

5位:入善町 — 第1子から1/4減額+出産祝金

入善町は第1子の保育料を4分の1減額、第2子を半額、第3子以降を無料にしています。3歳以上の副食費も町が全額負担して無料です。

加えて、入善町は出産祝い金制度があり、子育て世帯への経済的支援を手厚くしています。保育料の減額と合わせると、トータルの子育てコスト軽減効果が大きい自治体です。

出典: 入善町 保育所への入所について(2026-05-12確認)

保育料の減免以外にも、各市町村には独自の子育て支援策があります。


各市町村のユニークな子育て支援策

保育料の減免だけでなく、富山県内の自治体はそれぞれ独自の子育て支援策を打ち出しています。保育園選び・住む場所選びの参考になるものをピックアップしました。

砺波市:三世代同居おうち育児給付金

砺波市は散居村で知られる田園地帯の街です。三世代同居・近居を推進する施策に力を入れており、三世代同居住宅の新築・リフォームへの補助金や、おうち育児(在宅での育児)を支援する給付金制度があります。祖父母の力を借りながら子育てする環境が整いやすい自治体です。

出典: 砺波市 となみ暮らし応援プロジェクト(2026-05-12確認)

南砺市:きょうだいカウントが22歳まで

保育料の多子軽減で「第何子か」をカウントするとき、多くの自治体は就学前の子どもだけ、または小学校卒業までの子どもだけをカウントします。南砺市は養育している22歳までの子どもをカウント対象にしています。大学生の兄・姉がいる場合でもきょうだいとしてカウントされるため、下の子が「第2子」「第3子」として軽減を受けやすくなります。

出典: 南砺市 子どもを預けたい(2026-05-12確認)

上市町:祖父母育児給付金(月1万円)

上市町では、祖父母が孫の育児を行う場合に月額1万円の給付金を支給する制度があります。支給期間は孫が3歳になるまでです。富山県は三世代同居率が全国的に高く、祖父母が育児を担うケースが多い地域です。その実態に合わせた支援策と言えます。

出典: 上市町 各種支援制度(2026-05-12確認)

舟橋村:学童保育「fork toyama」保護者負担ゼロ

日本一面積が小さな自治体として知られる舟橋村には、保護者負担ゼロの学童保育施設「fork toyama」があります。2023年5月に開設されたこの施設は、企業や個人の支援者からの寄付とカフェ収入で運営する「みん営」モデルを採用しています。

2024年にはグッドデザイン賞を受賞し、全国から視察が相次いでいます。保育園卒園後の「小1の壁」に対する先進的な取り組みとして注目されている施設です。

出典: fork toyama グッドデザイン賞受賞プレスリリース(2026-05-12確認)

小矢部市:メルヘン米・稲葉メルヘン牛交換券の出産祝い

小矢部市の出産祝い事業では、お祝いの品として地元特産品の交換券を贈っています。選べる品には、市内産コシヒカリの中でも厳選された「メルヘン米」や、年間約80頭しか出荷されない希少な和牛「稲葉メルヘン牛」があります。地域の特産品で出産を祝うユニークな制度です。

出典: 小矢部市 誕生お祝い事業(2026-05-12確認)

黒部市:オリジナル命名紙の毛筆筆耕プレゼント

黒部市では、出生届の提出時にオリジナルの命名紙を毛筆で書いてプレゼントする取り組みを行っています。デジタル化が進む時代に、手書きの毛筆で子どもの名前を残すサービスは、記念品として温かみがあります。

こうした支援策を踏まえたうえで、実際の入園手続きの流れを確認しておきましょう。


保活スケジュール — 富山県の一般的な流れ

富山県内の保育園・認定こども園への入園は、おおむね以下のスケジュールで進みます。自治体によって多少前後しますが、大きな流れは共通しています。

4月入園の場合(翌年度4月入園を目指すケース)

時期 やること
4月〜6月 情報収集を開始。市町村の子育て支援サイトで保育園の一覧・特徴を確認
7月〜9月 保育園見学。見学は事前予約が必要な園がほとんど。夏のうちに複数園を回っておくと安心
10月〜11月 入園申込書類の受取・配布が始まる。自治体によって配布場所が異なる(市役所窓口、第1希望施設など)
11月〜12月 1次選考の申込み締切。必要書類(就労証明書・認定申請書など)を提出
翌年2月 1次選考の結果通知。不承諾の場合は2次選考に申込み可能
翌年3月 2次選考の結果通知。入園準備(持ち物・面接・健康診断など)
翌年4月 入園

年度途中の入園(5月以降)

空きがあれば年度途中でも入園できます。多くの自治体では、入園希望月の前々月から前月末までに申込みを受け付けています。富山県は待機児童ゼロが続いているため、年度途中でも比較的入りやすい環境です。ただし、0歳児クラスなど定員の少ないクラスは時期によって空きが出にくいこともあります。

「認定」の仕組み

保育園・認定こども園を利用するには、市町村から「保育の必要性」の認定を受ける必要があります。認定区分は以下の3種類です。

  • 1号認定(教育標準時間認定): 満3歳以上で、幼稚園・認定こども園の教育部分を利用
  • 2号認定(保育認定・3歳以上): 満3歳以上で、保育園・認定こども園の保育部分を利用。保護者の就労等が要件
  • 3号認定(保育認定・3歳未満): 満3歳未満で、保育園・認定こども園・小規模保育等を利用。保護者の就労等が要件

認定の申請と入園の申込みは同時に行うのが一般的です。

※申込みの具体的な日程・必要書類は自治体ごとに異なります。最新のスケジュールは各市町村の公式サイトで確認してください。

スケジュールを押さえたところで、富山ならではの子育て環境にも目を向けてみましょう。


富山ならではの子育て環境 — 三世代同居と富山型デイサービス

保育料や制度の比較だけでは見えてこない、富山県特有の子育て環境についても触れておきます。

三世代同居率の高さ

富山県は三世代同居率が全国的に高い県です。祖父母と同居または近居することで、保育園の送迎や急な発熱時の対応を家族で分担できる環境が整いやすくなります。

上市町の祖父母育児給付金や砺波市の三世代同居支援のように、この地域特性を活かした支援策を打ち出す自治体もあります。保育園だけに頼らず、家族ぐるみで子育てする選択肢が取りやすいのは富山の強みです。

富山型デイサービス

富山型デイサービスは、高齢者・障害者・子どもが同じ施設を利用する「共生型」の福祉サービスです。1993年に富山市で始まり、現在は県内に120か所以上の事業所があります。

保育園とは別の仕組みですが、高齢者と子どもが日常的に交流する場として機能しています。核家族で祖父母が近くにいない世帯でも、地域の中で多世代交流ができる環境が富山にはあります。

子育て応援企業認定制度

富山県には「子育て応援企業」の認定制度があり、育児休業の取得促進や短時間勤務制度の導入などに取り組む企業を県が認定しています。認定企業は県の公式サイトで公開されており、就職・転職時の参考になります。

共働き率の高さは、こうした職場環境の整備とも関係しています。

ここからは、県外から富山に移住・転入する方に向けた実践的なポイントを紹介します。


移住・転入する方へ — 保育園選びのポイント

県外から富山県に引っ越してくる方に向けて、保育園選びで押さえておきたいポイントをまとめます。

待機児童ゼロでも「希望の園」に入れるとは限らない

富山県全体では待機児童ゼロが続いていますが、人気のある園や特定の地域では定員に達しているケースもあります。第1希望の園に確実に入れるわけではないため、複数の候補を持っておくことが現実的です。

保育料は「住んでいる市町村」で決まる

保育料の金額や減免制度は、園がある場所ではなく、住民票がある市町村の基準で決まります。隣の市の保育園に通う場合でも、保育料は住んでいる市の基準が適用されます。

引っ越し前に確認しておきたいこと

  • 引っ越し先の市町村の保育料表(所得に応じた階層区分)
  • 第2子・第3子の減免条件(同時入所が必要かどうか)
  • 副食費の自己負担額
  • 認可外保育施設の保育料補助制度の有無
  • 病児・病後児保育の実施状況

これらの情報は、各市町村の子育て支援サイトや窓口で確認できます。なお、富山への移住を検討中の方は富山にないチェーン店まとめも参考にしてみてください。生活面のギャップを事前に把握できます。

各市町村の具体的な問い合わせ先は、次の一覧をご活用ください。


15市町村の問い合わせ先一覧

保育園の入園手続きや保育料の詳細は、各市町村の担当窓口に直接お問い合わせください。

市町村 担当課 公式サイト
富山市 こども保育課 育さぽとやま
高岡市 こども・子育て課 高岡市公式サイト
射水市 子育て支援課 いみず子育て情報 ちゃいる.com
魚津市 こども課 魚津市子育て応援サイト
氷見市 子育て支援課 氷見で子育て応援サイト
滑川市 子育て応援課 滑川市公式サイト
黒部市 こども支援課 黒部市公式サイト
砺波市 こども課 砺波市公式サイト
小矢部市 こども家庭課 小矢部市公式サイト
南砺市 こども課 南砺市子育て支援ガイド すこやか
上市町 福祉課 上市町公式サイト
立山町 健康福祉課 立山町公式サイト
入善町 結婚・子育て応援課 入善町子育てサイト
朝日町 住民・子ども課 朝日町公式サイト
舟橋村 生活環境課 舟橋村公式サイト

最後に、ここまでの内容をまとめます。


まとめ — 富山県の保育園事情は「どこに住むか」で変わる

富山県は待機児童ゼロが続く、全国でも子育てしやすい県の一つです。お子さんの学校休暇カレンダーと合わせて、家族の年間スケジュールを立てる参考にしてください。15市町村を比較すると保育料の負担には明確な差があります。

特に0〜2歳児を預ける場合、魚津市(1歳以上の保育料・副食費が完全無料)、滑川市(第1子半額・第2子以降無料)、射水市(同時入所不問で第2子無料)などは、保育料の面で大きなアドバンテージがあります。

一方、保育料だけで住む場所を決めるわけにはいきません。通勤時間、住宅費、祖父母との距離、子育て支援の総合的な充実度など、さまざまな要素を考慮する必要があります。この記事の比較表が、その判断材料の一つになれば幸いです。

富山県の保育園は、入園のしやすさ・保育料の安さ・独自支援策の多彩さで、子育て世帯にとって恵まれた環境です。転入を検討している方は、各市町村の窓口で最新の制度を確認し、自分の家庭に合った自治体を見つけてください。


この記事は2026年5月時点の公開情報に基づいて作成しています。保育料・支援制度は年度ごとに改定される場合があります。最新の情報は各市町村の公式サイトまたは窓口で必ずご確認ください。

出典: 各市町村公式サイト、富山県公式「とみいくフレフレ」、こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化」(いずれも2026-05-12確認)


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